■ナバホの歴史、伝統、自然を愛するアイラ。彼との交流は、彼の師であるキャストの名匠「ウィルフォード・ヘンリー」を介して始まりました。アイラの作品はナバホらしい武骨で素朴そのもの、師の教えを継承し、サンドかトゥファのキャストでしか作りません。そんな彼の作品の中でも、こちらは異彩を放つ『Ira Custer Four direction cross tufa cast Pendant drop』です。「クロス」はインディアンジュエリーで多く用いられるモチーフです。アメリカにキリスト教徒が多く、リクエストが多いのが理由の一つですが、政府により封じられた「スワスティカ」~ナバホで古来より受け継がれてきたシンボルの代用として「4ディレクション思想」が大きく関係しています……ここで云う「cross=十字」はキリスト教のシンボルとして広く知られる「十字架」とは真意が違います。その証がセンターにあるもう一つの十字です……【豆知識】●スワスティカ~クロス ※長くなるので簡潔に(^^;『卍』は古代から世界中で広く使用されてきたシンボル。一般的に「卍=和の象徴」「逆卍=力の象徴」とされる。最も古いとされる卍はウクライナで紀元前1万年に象牙に彫られたモノがある。インディアンでは『太陽』を模ったものとされ、インディアンが神聖視している数『4』を表し、“4つの方角、季節、世界”など『4ディレクション思想』を背景とし、ナバホでは織物、壺などに刻まれてきた『幸運』のシンボルです。第二次世界大戦において、ヒンドゥー教の“鉤十字=力の象徴”をナチスが採用した事により“ナチズムのシンボル”とみられ、偏見によりアメリカでは使用する事を禁じられてしまった……そして禁止以降スワスティカの代わりに使われ始めたのが、アメリカの主流宗教に沿った「クロス=十字」です。近年、スワスティカをナバホのもとに取り戻そうという機運が高まり、積極的に作品に使用するアーティストが増えてきてる。“ラブ、ライフ、ラック、ライト”4つのLを合わせた意味との記載を見ますが、これはフレッドハーヴィーが作ったキャッチコピーであり、スワスティカの本意とは異なります。■サイズなど/縦約55㎜、最大幅約40㎜、厚さ約3.5㎜。フック内寸4㎜×4㎜。作者ホールマーク、Sterling 刻印アリ。